被爆地域拡大協議会(峰松巳会長)が医師や研究者との意見交換会を開き、私も参加しました。
意見交換会では、長崎民医連の菅正和医師が、民医連が行った被爆体験者実態調査について、被爆体験者訴訟のなかで福岡高裁が「バイアスがかかった調査である可能性を否定できない」ととりあわなかったことに反論する形で詳しい紹介がありました。
長崎大学水産・環境科学総合研究科の高辻俊宏教授は、内部被曝について、アルファ線、ガンマ線、ベータ線などの評価が国際放射線防御委員会(ICRP)のとらえ方では不十分であると指摘し、放射線による内部被曝が与える細胞や生物に与える影響をきちんと見定める必要性を強調されました。
長崎県保険医協会の本田孝也会長からは、米軍の従軍カメラマン、ジョー・オダネル氏が撮影した「焼き場にたつ少年」について、焼き場の場所と少年がだれなのかの研究を紹介され、撮影場所が戸石村の焼き場である可能性に言及されました。
意見交換会の最後に、私も紹介をいただき、「被爆体験者に被爆地域拡大の科学的根拠を求める国の姿勢を変え、戦争被害受任論を乗り越える新しい政府をつくっていくために力を合わせましょう」と訴えました。
被爆体験者支援事業の制度については、対象疾患にがんが認められていない、県内から県外居住に移ると支援対象から外されるなど大きな課題がいまも残されています。長崎市も、市と議会でつくる原援協が行う国への要望項目に昨年度からこれらも加え迫るようになりました。
これからも、被爆地域拡大協議会のみなさんと力をあわせて、被爆地域の拡大とともに支援事業の抜本的な改善を求めていきます。
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