【9月定例会】使用料・手数料の見直しに反対しました

2025年9月定例会

9月29日最終本会議が開かれ、9月市議会に上程された議案の討論・採決が行われました。受益者負担の適正化を図るとして、住民票など約650にわたる手数料改定、ふれあいセンターなどの市民利用の施設から文化施設、スポーツ施設、観光施設に至るまで174の公共施設の使用料改定に関する69議案については、採決の結果、賛成が32、反対が5となり、賛成多数で可決されました。

私たち党市議団は、いまの物価高のなかで市民負担を増やす料金改定は利用者の減少につながることは明らかであり、公共施設の果たす役割を考慮して、値上げの判断はすべきではないと反対討論を行いました。

グラバー園や出島などは利用者の多くが観光客ですので、観光施設を除く今回の料金改定の市民への影響額は約8億円にのぼると見込まれます。

私が、委員会審査のなかで、「仮に今回値上げをしない場合、施設の運営に支障をきたすことはあるのか」と質問したのに、長崎市は「基金などもあるのでただちにということはない」と答弁しました。

利用料金の値上げを回避することは可能であり、受益者負担と称して、市民負担を大幅に増やすことは住民福祉の増進に反するものです。

市民にとって必要な見直しを 意見書を採択

使用料・手数料の見直しにあたって議会として市に意見書を出すこととなり、党市議団も市民負担の減、合意形成の努力など3点の修正意見を行い、3点とも意見書に盛り込まれました。意見書は、議案とは独立したもので、付帯決議に近いものということで、私たちも賛成しました。引き続き、高齢者減免を施行規則に定めるなど求めていきます。

@atsunobu27

#長崎市議会 2025/9/29 最終本会議で議案の採決が行われました。 使用料・手数料の改定関連の69議案に反対した討論(約7分)の一部です。 物価高のおり、利用者の減が見えているのに使用料値上げは避けるべきと求めました。

♬ オリジナル楽曲 – 中西あつのぶ – 中西あつのぶ

○使用料・手数料の改定についての反対討論(2025/9/29最終本会議)

 ただいま議題となりました69件の議案について反対の立場から日本共産党市議団を代表し、討論を行います。

 まず、第93号議案長崎市手数料条例について反対する理由を申し上げます。本議案は、住民票等の諸証明手数料32件、市条例を根拠とする手数料3件、法律を根拠とする手数料627件、合計662件の手数料を改定しようとするものです。本改定により、市民や事業者の負担増は3億6千万円に上ります。諸証明書類や開発許可などにかかる交付や閲覧などの申請はどれも手続き上の必要性から行政に求めるものであり、もっとも基本的な行政サービスであります。今回、諸証明書類の手数料を100円値上げして400円に、印鑑証明も400円に引き上げる提案ですが、近隣自治体や中核市62市の状況をみても300円というところが多く現行料金が妥当であることは明らかです。本市においても行政のデジタル化が進められているはずで、コストはむしろ削減されるのではありませんか。30年改定してこなかったことなどは値上げの理由にならず、現行料金を据え置くべきです。

 つぎに、174施設にも及ぶ一連の公共施設使用料の引き上げに関する条例議案68件については、関連がありますので一括して、反対の立場から意見を申し上げます。

 今回、市民の皆様が、日々利用するふれあいセンターをはじめ、文化ホール、スポーツ施設、観光施設など174施設について受益者負担の適正化をはかるとして、そのほとんどにわたる使用料引き上げが提案されました。従来の料金と比較すると、ふれあいセンター研修室50平米未満で154円値上げし310円に、市民総合プール一般の利用では230円値上げし700円に、グラバー園一般の利用で680円の大幅値上げで1,300円となるなど、値上げによる利用減少が危惧されるものです。

 観光客を除く、今回の公共施設使用料値上げの影響額は約5億円にも及ぶもので、多くの市民に影響を与える議案であり、より慎重な審議が求められるものです。2024年度の述べ利用者数で申し上げますと、ふれあいセンターでは約57万人、文化施設の市民会館文化ホールが約13万人、チトセピアホールが約3万人、ブリックホールが約26万人、スポーツ施設では約130万人の利用があるなど、少なくとものべ、約214万人以上の市民に影響を与える議案であるということです。

 なお、ふれあいセンターなどは60歳以上の方が多数を占めており、物価高騰のなか年金が増えないなか、使用料値上げに伴い、高齢者の活動、いきがいつくり、健康にも影響を与えるものです。

 本議案に反対する理由の第1に、物価高騰下で市民生活が厳しいときに、負担を増やすべきではないと考えるからです。総務省が発表した8月の消費者物価指数は112.1で前年同月と比べて2.7%の上昇で、深刻な物価高が市民生活を脅かしているのは歴然であります。

 こうした厳しい市民生活の実態があるなかで。使用料だけで約5億円もの市民負担を押しつけていいはずがありません。

 反対する理由の第2は、条例施行規則において、年齢減免を一律、廃止しようとしていることも到底許されないからです。大半の自治体において高齢者への使用料減免を実施しており、住民福祉の増進の観点から継続することを強く求めるものです。

 反対する理由の第3は、受益者負担の算定が過大であり、多くの施設で現行料金の数倍、10数倍の再算定結果の金額となっている問題です。受益者負担と言いながら、稼働率で割り戻している点や空調設備・コンセントなど使用込みの料金体制とし使用していない方からも料金を徴収する点は、受益者負担をあまりに大きくみていると言わざるを得ません。

 委員会審査において、私が5年後の見直しにあたっても今回採用した受益者負担の原則にそって、5年ごとの値上げを続けるのかと質問したのに対して、市は「もう一度再算定をしなおししなくてはいけない部分も多々ある」と重大な答弁をしております。5年後の見直しにそのまま使えるかわからないような算定方法を今回は採用できるとする根拠はないと考えます。

 そもそも公共施設は市民全体の財産であって、その運営にかかるコストをみるときに、施設を利用している人と利用していない人を比較する受益者負担という考えを持ち出すべきではありません。公共施設がはたす目的や市民の利用機会の確保を考慮し、税の再分配の観点から、人件費や減価償却費はコストに含めず、負担割合も大きく引き下げて、誰もが利用しやすい料金にすべきです。

 私は委員会質疑において、仮に引き上げを行わなかった場合、運営に支障をきたすことがあるのかと質問しましたが、市は「財政調整基金もあるのでただちにということはない」と答弁しております。

 かつてないほどの物価高騰局面で市民生活がきわめて厳しいときに、使用料・手数料の改定を強行し、合計約8億円もの市民負担を増やし、施設利用者を減らすのではなく、いまは現行料金を据え置いて、市民利用を確保すること、何よりも市民生活の実態を適切に見極めた判断をすべきであると考えるため、本議案に反対するものであります。

以上、討論とします。

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