最低賃金の引き上げに関する陳情 「最賃の格差が人口減少の背景」 全国一律の最賃制度に

2023年6月定例会

長崎市議会環境経済委員会は6月30日、長崎県労連(乾哲夫議長)「『最低賃金法の改正と中小企業支援の拡充を求める意見書』の採択を求める陳情」の審査を行いました。

趣旨説明を行った県労連の馬場副議長は、この15年で最低賃金の地域間格差は2倍に広がり、コロナ前も後も人口の社会的移動(転入、転出)と最低賃金の地域格差は相関しており、東京や名古屋、九州では福岡など最低賃金が高い都市ほど転入超過となっていると指摘。一方、全労連が行った生活費の調査では全国どこの地域でもおよそ25万円が毎月必要な生活費となっているため最低賃金の大幅な引き上げが必要と訴えました。自民党の議連や中小企業同友会からも地域別の最賃制度に対して見直しの声が上がっていることも紹介がありました。

質疑では、私が長崎市も人口減少が一番の課題と位置付けていることに関して最低賃金のあり方を見直す取り組みを市としても強める必要性について尋ねたところ、「実際に最賃が最低クラスの四国地方の県からは見直しを求める意見が出されていたり、地域別の最賃制度に苦しむ自治体から声をあげることは非常に重要」との指摘がありました。

商工部が陳情に対する長崎市の見解を説明し、「地域間格差を是正する観点から3区分に変更される」「国の動向を注視していきたい」「市内労働者の賃上げの実現につながるよう地場企業の稼ぐ力の向上を支援していく」などと述べました。

私は、3区分への見直しは地域間格差を温存したことにしかならないと指摘し、国の動きを注視するだけでなく最賃引き上げを求める働く人の声を受け止めて国に要望するよう求めました。

国への意見書提出は見送りに

7月3日の委員会で委員長から示された取りまとめ案を協議しましたが、「地域間格差の是正が一定図られるので意見書は見送る」という結論であったため、納得できないと意見を述べました。取りまとめの全文はこちらです。

陳情の参考人質疑、市当局との質疑、取りまとめ案の協議のいずれにおいても委員会で質問したのは、私ひとりでした。

政府は最低賃金を全国平均で時給1,000円を達成すると言いますが、それでは月収15万にとどまります。8時間働いて普通に暮らせるために時給1,500円への引き上げは急務です。

 

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